5万円の高級キーボードを2台買うという環境

気に入ったキーボードを仕事部屋とリビングに常設し、持ち運びや接続の面倒を消した運用と、2台目が過剰になる境界を振り返ります。

作業する場所を変えたときに、手元にキーボードがない。取りに戻ればいいだけの話です。距離にして十数歩。

僕はその十数歩を面倒がって、結局その場所では作業しなくなりました。

デスクルームとリビングにデスクトップMacを置いていて、仕事デスクではモニターを4台、リビングではテレビにMacを接続しています。

問題は移動そのものではなくて、いわゆるメカニカルキーボードの打鍵音が違いすぎるのに嫌気がさしたからです。

初めて買ったメカニカルキーボードはNuphy

キーボードのスイッチを変えることで自分好みの打鍵音を出せるというジャンルに出会ったのがたしか2023年1月ごろ、YouTubeを見ていたらたまたま出てきた海外のキーボードの打鍵音聞き比べみたいな動画だったんだけど、それを見て、HHKBやREALFORCEを使っていた自分からすると音の良さにびっくりしてしまったんですよね。

そもそもホットスワップによってスイッチを取り替えられるようになったことを知らなかったし、キーキャップの違い、キーボードの構造によって音がこんなにも美しく気持ち良いと感じられる世界があることに魅了されてしまった。

そこで知識もなく買ったのがNuphy Halo 65で、デフォルトのまま使っているだけでもそこそこ気持ちよかったのに、65%キーボードではキーの数が足りないと思ったのでHalo 75も購入。いまも家に予備としておいています。

メインはNuphy Halo 75を使っていたけど、そこから気持ちいい打鍵音を目指して、なぜかKeychronの初代分割キーボードQ11 QMKカスタムメカニカルキーボードを購入してみたり、ガスケットマウントじゃないことにがっかりしては即メルカリに売るなどしていました。

当時このような打鍵音を追求するようなコミュニティは2ch(5ch)で情報を得るのがベストだったのではないか?という印象でした。そのとき、2chスレに「このキーボードは当たりじゃない?」と話題になってたのがMode DesignsのEnvoyです。

キーボードに5万円か...

打鍵音の追求にしか興味がなくなっていた自分としては、Mode Designs Envoyのシンプルなスタイルと、公式動画の音だけに魅了されてこのキーボードしか頭になくなっていました。

「これ買ったらYouTubeの動画みたいな気持ちいい音出せるかも」

注文するページで、PCBとプレートの違いや、何を買ったらいいのかもわからずに調べまくった記憶があります。とりあえずアルミニウムプレートで、PCB、キーキャップはGMKにして、キースイッチはHMXなら大丈夫でしょ。みたいなニワカ知識で購入したこのキーボードがざっと総額5万円くらい。

キーボードに5万円はやりすぎたかもしれないと、ポチった一瞬頭をよぎったけど、5秒もしたら到着のワクワクが買っていましたね。
3年経った今でも使い続けるくらいの相棒になっています。

Envoyの魅力

Envoyは発売からもう3年経ってしまったことと、AIの台頭によって音声入力もするようになったことから、キーボードだけが入力する手段ではなくなってきました。
それでも入力の8割はEnvoyから行っており、このキーボード独自のLattice Block Mountは、ガスケットを弾力のある格子状ブロックで支える技術が詰め込まれています。

カスタムメカニカルキーボードは自分で組み立てる必要があり、ぶっちゃけUSB-Cドーターボードを取り付ける向きが逆でピンが入らないトラブルを起こしてドーターボードだけ追加購入するなど、手こずったこともありましたが、QMK/VIAのカスタムキー設定などに慣れてしまうと自分だけのキーボードが作れる魅力は増すばかり。

これは長時間入力でも快適で、柔らかさがありながら、跳ね返りが強いこともなく、1度体験したら離れられない体になっています。

そして何より、格子状ブロックによって、PCBが浮いているような構造になることから打鍵音がこもらない感じがして、気持ちいいクリアな音を出してくれるんですよね。

これによって、音を聞きたいがためにヘッドフォン・イヤホンをしないこともしばしば。

リビングMac Miniのためにも同じEnvoyを買う

リビングだとタイピングで過ごす時間・キーを打つ機会は少ないですが、Nuphy Halo 75を接続して使っていると、デスクで気持ちいい音がしているのに、リビングでは異なる打鍵音に耳が耐えきれなくなってしまい、1度聞き慣れた乾いたクリアな打鍵音が聞こえないとなると我慢できなくなってきたタイミングでした。

そんなとき、Envoyが、2024年には発売から1年経ったこと、公式サマーセールで在庫処分によって少し安く購入できるチャンスをたまたま目にしたことによって、もう一台Envoyを購入。スイッチはHMX Cloud、キーキャップはGMKで統一。打鍵感も打鍵音も2台とも自分の好みに寄せてあります。

いまでもキースイッチ以外はまったくおなじEnvoyをリビングに置いています。

配列も打鍵音・打鍵感もほぼ同じ。QMK/VIAのプロファイルJSONを持ってくれば、デスクと同じ環境が再現できます。

デスクトップにキーボードを配置するなら、面倒だから据え置きにしておきたいし、持ち運ぶという概念が頭になかったし、リビングでMacを触るならどうせなら思い切って同じ高級キーボードを買ってよかったなと思います。

このEnvoy2台体制は2年以上経っていますが、キーボードはほとんど壊れないですし、満足度が高い環境を作れたなと思っています。

2台目を置いてから変わったこと

僕は Mode Designs Envoy を2台持っています。1台はリビング、もう1台はベッド周辺です。スイッチは HMX Cloud、キーキャップは GMK で、打鍵感も打鍵音も2台とも自分の好みに寄せてあります。

変わったのは、作業量そのものより「作業を始めるまでの判断」でした。移動した先にすでに同じ入力環境があるので、続きを書くかどうかだけを考えればよくなります。運ぶかどうかの検討が、そもそも発生しません。

同じ製品を選んだことにも意味がありました。配列も打鍵感も同じなので、場所を移っても指が迷いません。安いキーボードを2台目に足す選択肢もありましたが、それだと移動のたびに指が慣れ直すことになり、消したかった面倒が別の形で残ります。

導入そのものは重い作業ではありません。開封してケーブルをつなげば、その日から使えます。キーマップを1台目と揃える手間だけは残りますが、設定を書き出して読み込ませれば済む範囲でした。

いまでもkeebtaroを見てスイッチ選び

日本人でぼく好みのキースイッチの打鍵音を動画で出してくれているのはおそらくkeebtaroさんで、キーボードの構成がほぼ同じことと、スイッチの好みが似ていてHMX系が多く、keebtaro動画だけで何時間過ごしたか数えきれないほどの時を一緒にさせていただきました。

今ならやっぱQwertyKeysのNEOシリーズが鉄板で、そこにスイッチとキャップ組み合わせたらまた違う音が出るんだろうなとか、構成を考えて妄想が膨らんできてしまうのはミニ四駆作ってるのと同じような気分になってきます。

それかシステム作っているときのクラウドアーキテクチャを考えているときのRDB選択を迷っているときとか...。

2台目が「過剰」になる境界線

ここからは、2台目が放置される側の話です。

同じ機材を2つ持つ判断は、「持っていればいつでも使える」というオプションの価値を、実際に使う頻度より高く見積もりがちになります。僕自身、高性能な機材を持っていても、スペックが高いという理由だけでは常用しないことを何度か経験しています。

2台目が使われなくなるのは、だいたい次のような場合です。

  • 2つ目の置き場所が、そもそも週に何度も座らない場所である
  • 移動先での作業が、キーボードを打つ作業ではない(動画を見る、資料を読むだけ、など)
  • ノートPCを持ち運んでいて、その内蔵キーボードで済んでいる

2つ目の置き場所が「たまに使うかもしれない場所」の段階なら、2台目はまだ早いと思います。すでに毎日座っていて、そのたびにキーボードの不在で手が止まっている、という順番でないと、置いても放置されます。

費用と、消える面倒を見比べる

Envoy のような自作寄りのキーボードは、本体・スイッチ・キーキャップを別々に買うため、合計金額は構成によって変わります。価格は流通状況で動くので、購入前に実物の表示価格を確認してください(価格: 要確認)。

判断の材料としては、金額そのものより次の見方が使えると思っています。2台目を置く場所で、これから何年その作業を続けるのか。その期間、移動のたびに発生していた判断が消えることに、その金額を払う価値があるか。

半年後に部屋の使い方が変わりそうなら、後述の安い代替から試すほうが損は小さいはずです。

出口も先に決めておく

2台目は、いらなくなったときに手放しやすい機材でもあります。人気のあるスイッチやキーキャップの構成なら、中古でも引き取り手は見つかります。

ただし、売却は「売れるかどうか」より「出品作業に手をつけられるかどうか」で止まります。僕も、買い替えで浮いたAirPods Pro 2の出品を半年以上先送りし、その後ようやく売却しました。手放す前提で買うなら、箱と付属品は残しておくほうがいいです。

向いてない人

  • 作業場所が実質1か所しかない人。この記事で扱う面倒は発生していません
  • 移動先での作業がキーボード中心ではない人
  • ノートPC1台で場所を移りながら作業していて、内蔵キーボードに不満がない人
  • キーボードの打鍵感にこだわりがなく、配列が変わっても手が迷わない人。安い2台目で足ります

買わない選択肢: 今のままで十分な場合

2台目を買う前に、先に試せることがあります。

  • 運ぶ手間を減らす。ケーブルを両方の場所に置いておく、あるいは無線接続にして抜き差しをなくす
  • 安い2台目から始める。移動先での作業量が読めないうちは、こちらのほうが判断材料になります
  • 移動先での作業をやめる。作業場所を1か所に寄せてしまうのも、面倒の減らし方の一つです

3つ目は消極的に見えますが、実際にはこれで解決する人がいると思います。場所を増やしたいのか、いまの場所で集中したいのかは、機材を足す前に決めておくほうがいいです。

いまでもkeebtaroを見てスイッチ選び

日本人でぼく好みのキースイッチの打鍵音を動画で出してくれているのはおそらくkeebtaroさんで、キーボードの構成がほぼ同じことと、スイッチの好みが似ていてHMX系が多く、keebtaro動画だけで何時間過ごしたか数えきれないほどの時を一緒にさせていただきました。

今ならやっぱQwertyKeysのNEOシリーズが鉄板で、そこにスイッチとキャップ組み合わせたらまた違う音が出るんだろうなとか、構成を考えて妄想が膨らんできてしまうのはミニ四駆作ってるのと同じような気分になってきます。

それかシステム作っているときのクラウドアーキテクチャを考えているときのRDB選択を迷っているときとか...。

まとめ

同じキーボードを2台買う判断は、キーボードの性能の話ではなく、置き場所の数の話です。

すでに毎日座っている場所が2つあって、そのたびに入力環境の不在で手が止まっているなら、2台目は検討する価値があります。そうでないなら、2つ目の場所に毎日座る習慣ができるまで様子見でいいと思います。

僕の場合は、機材の重複を減らすことより、どの場所でもすぐに作業を始められることのほうが優先度が高かった、というだけの話でもあります。そこの優先順位は人によって違うはずです。

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UPTIME|編集者・AIプログラミング個人開発・ガジェットレビュアー

テクノロジー系Webメディアで編集長を務め、メディア運営全体の方針や編集方針の策定、チームの運営、メディア改善に携わってきました。現在は、編集経験にデータ分析とプログラミングの知見や経験を掛け合わせ、AIやガジェット、仕事道具について、自分自身の使用経験や調査をもとに記事を書いています。

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